歯根破折・口腔外接着再植法26
2017.02.12
院長の大倉です。
今回は、下顎大臼歯の歯根破折のケースです。
近心根と遠心根の両方に歯根破折が生じていました。
口腔内の状態です。
頬側と舌側の歯肉に破折線に沿ってポケット形成が見られ、細菌感染により歯肉に瘻孔が出来ています。
疲れると腫れて膿が出る状態を繰り返していました。
他の歯科医院では、抜歯してインプラントかブリッジとの説明がありましたが、当院のブログの症例を見て、抜歯以外に歯を残す治療法がないかご相談で来院されました。
術前の診査、CT撮影から口腔外接着再植法の適応があると診断し行う事になりました。
口腔内の状態です。
頬側に深いポケットの形成と瘻孔が認めます。
舌側も同じ状態です。
歯根周囲に骨透過像を認めます。
CT画像から2根とも歯根破折の所見を認めます。
口腔外接着再植法を行いました。
抜歯された状態です。
近心根と遠心根ともに垂直性歯根破折(VRF)でした。
歯根周囲には感染物と不良肉芽の付着が見られます。
口腔内に戻し再植します。
縫合糸にて固定します。
再植後、3ヵ月目のレントゲン写真です。まだ、骨透過像が見られます。
感染症状もなく歯肉の腫れや排膿もなくなり、経過良好にて、術後約4ヶ月で最終補綴の歯が入りました。
硬い食べ物に多少違和感がありますが、それ以外は全く症状はなくなりました。
長期に渡り経過観察を行いこの治療法の有用性を調べて行きます。