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抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法32

院長の大倉です。

今回は、歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)に対して外科的口腔内接着法を行うも炎症所見が継続し治癒が見込めないため、「口腔外接着再植法」を行い治癒を見込めたケースです。

左上の犬歯の初診時レントゲン写真です。

 ブリッジの支台歯である犬歯の根尖周囲に透過像を認めます。

さらに、かなり太い金属ポストを認め、歯根破折の原因と考えます。

口腔内所見は、左上犬歯の歯槽部に発赤と腫脹を認めます。

ブリッジは反対側まで連結されていた為、初診時では保存的に外科的口腔内接着法を行いました。

歯肉剥離を行いました。

炎症性肉芽組織を掻爬します。

歯根破折を認めます。

破折片を戻し、接着します。

傷を縫合します。

術後のレントゲン写真です。

術後4ヶ月のレントゲン写真です。

歯根周囲のレントゲン透過像の拡大を認めます。

口腔内所見は、付着歯肉の発赤と深い歯周ポケットが残存し、炎症の残存を認めます。

今回、このことを説明の上、炎症の改善を目的に、ブリッジを切断し口腔外接着再植法」を行いました。

ブリッジを除去します。

犬歯を一度抜歯します。

歯根周囲への炎症性肉芽組織の付着と破折部内部の汚染を認めます。

汚染物の除去と肉芽組織の掻爬を行いました。

スーパーボンドとファイバーポストを使用して、破折片を接着します。

同時に根尖部も根切を行います。

口腔内に戻し、再植します。

再植歯の固定のために、仮ブリッジを入れて待ちます。

術後のレントゲン写真です。

3ヶ月後のレントゲン写真です。

歯根周囲の透過像の縮小が見られます。

口腔内所見は、付着歯肉の発赤はやや残存していますが、歯の植立は安定し、歯周ポケットも改善を認めます。

最終補綴ブリッジを装着し経過観察を行ないます。

今回のケースでは、歯根破折にて犬歯が抜歯されてしまうと、犬歯と小臼歯の2本分の欠損が生じて来ます。

この欠損を補綴するには、ブリッジでは欠損部が広すぎて出来ません。

インプラント治療または取り外しの義歯のどちらかになります。

今回は患者さんとご相談の上、意図的に一度抜歯を行い歯根破折を改善した上で再植を行う治療「口腔外接着再植法」を選択しました。

まだ、長期的な予後が不明なため継続的に経験観察を行ないます。



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