歯根破折・口腔外接着再植法29
2017.04.09
院長の大倉です。
今回も不完全な歯根破折のケースです。
一度、根管治療を行い症状はなくなりましたが、舌側歯肉にフィステルが出来ました。
口腔内の状態です。
今回もCT画像から不完全な歯根破折を疑い口腔外接着再植法にて治療することになりました。
抜歯した歯を顕微鏡で観察します。
炎症性肉芽組織を取り除き、破折線を形成しました。
接着剤で破折線を接着しました。
頬側面の近心根にも不完全な破折を認めました。
炎症性肉芽組織を取り除き、破折線を形成しました。
接着剤で破折線を接着しました。
再植します。
その後、クラウンを被せ治癒しました。
前回と同じように、フィステルが歯肉に生じている場合、原因が根尖性歯周炎によるものか歯根破折によるものか、臨床的判断が難しい場合があります。
根尖性歯周炎と診断し根管治療を行って一時的に症状が消失しても、歯根破折がある場合、症状が再燃してしまうことがあります。
十分な経過観察と的確な診査診断により、歯根破折の有無を判断し治療法を選択する必要があります。
歯根破折・口腔外接着再植法28
2017.04.09
院長の大倉です。
今回もブリッジの支台歯が歯根破折を起こしているケースです。
歯根破折には、完全な破折と不完全な破折があります。
今回は不完全な破折です。
口腔内の初見です。
レントゲン写真です。
CT画像から内外側に骨吸収を認め、歯根破折が疑われました。
治療です。
ブリッジを一旦外します。
顕微鏡で歯根破折を確認しました。
破折線を形式し、不良肉芽組織を取り除き、接着剤を流し込みました。
再植後半年が経過しました。
術前のレントゲン写真です。
術後4カ月のレントゲン写真です。
吸収していた骨が徐々に再生しています。
今回のようにフィステルが歯肉に生じている場合、原因が根尖性歯周炎によるものか歯根破折によるものか、臨床的判断が難しい場合があります。
この場合、CT画像から歯根破折の特徴的な所見が得られることで診断されます。
適切な診断が、より良い治療結果に結びつきます。
歯科用CTの有用性を改めて認識します。