スタッフブログ

歯根破折・口腔外接着再植法28

院長の大倉です。

今回もブリッジの支台歯が歯根破折を起こしているケースです。

歯根破折には、完全な破折と不完全な破折があります。

今回は不完全な破折です。

口腔内の初見です。

ブリッジの支台歯の歯肉にフィステルが見られます。

レントゲン写真です。

歯根の側面に透過像が認められます。
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CT画像から内外側に骨吸収を認め、歯根破折が疑われました。

治療です。

ブリッジを一旦外します。

支台歯を抜歯します。

顕微鏡で歯根破折を確認しました。


破折線を形式し、不良肉芽組織を取り除き、接着剤を流し込みました。

再植後半年が経過しました。

歯肉のフィステルは消失し炎症は消退しました。

術前のレントゲン写真です。

術直後のレントゲン写真です。

術後4カ月のレントゲン写真です。

吸収していた骨が徐々に再生しています。

今回のようにフィステルが歯肉に生じている場合、原因が根尖性歯周炎によるものか歯根破折によるものか、臨床的判断が難しい場合があります。

この場合、CT画像から歯根破折の特徴的な所見が得られることで診断されます。

適切な診断が、より良い治療結果に結びつきます。

歯科用CTの有用性を改めて認識します。



歯根破折・口腔外接着再植法27

院長の大倉です。

今回は、ブリッジの支台歯が歯根破折を生じてしまったケースです。

ブリッジの支台歯の歯根破折は臨床でよくみれます。

一般的に歯根破折歯は抜歯されることが殆どです。

ブリッジの支台歯が抜歯されると歯の欠損が増えるため、再びブリッジによる治療が困難な事が多く、義歯あるいはインプラントによる治療となります。

症例です。

左上4のブリッジの支台歯が歯根破折を生じています。

レントゲン写真から歯根周囲に骨透過像が認められます。

ブリッジを外すと残痕状態でした。

抜歯を行うと歯根破折を認められました。

洗浄し、不良肉芽組織を取り除きました。

接着しブリッジに固定しました。

口腔内に戻し固定しました。

半年後の状態です。

歯肉の炎症は消退し、歯もしっかりしました。

術直後のレントゲン写真です。

半年後のレントゲン写真です。

骨が再生しています。

 現在、咀嚼に関しては問題なく、歯肉の違和感もなく、快適に過ごしています。

このように、ブリッジの再生に一時的に寄与出来ました。

長期的な予後は慎重に観察が必要です。



歯根破折・口腔外接着再植法26

院長の大倉です。

今回は、下顎大臼歯の歯根破折のケースです。

近心根と遠心根の両方に歯根破折が生じていました。

口腔内の状態です。

頬側と舌側の歯肉に破折線に沿ってポケット形成が見られ、細菌感染により歯肉に瘻孔が出来ています。

疲れると腫れて膿が出る状態を繰り返していました。

他の歯科医院では、抜歯してインプラントかブリッジとの説明がありましたが、当院のブログの症例を見て、抜歯以外に歯を残す治療法がないかご相談で来院されました。

術前の診査、CT撮影から口腔外接着再植法の適応があると診断し行う事になりました。

口腔内の状態です。

頬側に深いポケットの形成と瘻孔が認めます。

舌側も同じ状態です。


レントゲン写真です。

歯根周囲に骨透過像を認めます。

CT画像から2根とも歯根破折の所見を認めます。

口腔外接着再植法を行いました。

抜歯された状態です。

近心根と遠心根ともに垂直性歯根破折(VRF)でした。

歯根周囲には感染物と不良肉芽の付着が見られます。


超音波にて歯根面を清掃し汚染物を除去します。


歯根を元の状態に戻し破折していた歯根を接着します。

口腔内に戻し再植します。

縫合糸にて固定します。


術後経過です。

再植後、3ヵ月目のレントゲン写真です。まだ、骨透過像が見られます。


感染症状もなく歯肉の腫れや排膿もなくなり、経過良好にて、術後約4ヶ月で最終補綴の歯が入りました。

硬い食べ物に多少違和感がありますが、それ以外は全く症状はなくなりました。

長期に渡り経過観察を行いこの治療法の有用性を調べて行きます。



歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法24

院長の大倉です。

今回は、70歳後半の方の歯根破折です。

8020を達成するためにも、今回、口腔外接着再植法を行いました。

ご高齢ですが、術後感染はなく骨の再生も見られ経過は良好です。

術前のレントゲン写真です。

歯根端切除を行なっていますが、根尖病巣が再発していました。

口腔内の写真です。

根尖部歯肉が腫れ排膿が見られました。

まず、抜歯を行います。

抜歯窩を十分に掻爬し炎症性組織を取り除きます。

抜歯した歯根です。単根で、根尖部は歯根端切除の影響で切除され短くなっていました。

汚染物を除去し、炎症性肉芽組織を取り除きます。

スーパーボンドによる根管充填とファイバーポストの植立を行います。

舌側は歯根破折を認めました。

口腔内に再植します。

3か月が経過し、補綴物を装着しました。

根尖部の炎症が消失し、咀嚼も問題ありません。

術後のレントゲン写真です。

骨再生も見られ経過良好です。

ご高齢の方でも、適切な施術により大切な歯を保存することが出来ることは、8020の達成と今後のQOLの向上に寄与すると考えます。



歯根破折  (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法23

院長の大倉です。

今回は、下顎小臼歯の垂直性歯根破折のケースです。

術前・術後をCTにて観察しました。

口腔内の状態です。

ほぼ、残根状態です。

一般的には、抜歯し他の方法で歯を作りますが、今回も口腔外接着再植法にて歯を再建し保存して機能させる事にします。

一度抜歯します。

抜歯された歯根です。

二つに破折しており内部は細菌感染し、汚染され周囲には炎症性肉芽組織が付着しております。

歯根を接着できる様に洗浄し清掃します。

スーパーボンドにて歯を接着し元の歯根の状態に戻します。

口腔内に戻し再植し固定します。

1か月経過しました。

歯肉の状態も良好です。

支台の形にし、歯を被せる準備をします。

炎症もなく、歯のぐらつきも改善しています。

術前のCT画像です。

歯根の右側に骨吸収像を認めます。

術後のCT画像です。

骨の再生が確認出来ます。


このように本来抜歯になる歯を保存することが出来るこの治療法は、短期的な予後は良好です。ですが、長期的予後は明らかではありません。症例を重ね検討して行きます。



小臼歯 歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法22

院長の大倉です。
今回は、下顎小臼歯の歯根破折に対して口腔外接着再植法を行いレントゲンにて骨再生を観察しました。

中央の白い歯が歯根破折を起こしています。

抜歯しました。

根尖から上方に歯根が破折しているのが分かります。


内部は細菌感染により汚染状態でした。


汚染物質を洗浄し、歯根の接着の準備をします。


接着剤にて接着します。


元の位置に再植します。


そして、歯を固定します。


その後、1か月で固定を外し経過観察を行います。

術前のレントゲン写真です。

歯根周囲に骨透過像が認められます。

歯根破折を接着し固定期間中です。


術前後3か月です。

骨の再生が認められ、骨透過像が縮小しています。

5か月目です。


8か月目です。

透過像が消失し、骨の再生が進んでいます。


臨床的に症状はなく、自然に噛むことが出来ます。

更に、経過観察を行って行きます。



歯冠・歯根破折(前歯複雑破折)

院長の大倉です。

転倒して上顎前歯を強打。

歯冠が複雑に一部粉砕破折してしまったケースです。

レントゲン写真です。

亀裂が複数見られ歯根まで進んでいました。

本来ですと抜歯になってしまうケースですが、若年者ため歯を残す治療をしました。

接着材にて接着固定を行ないました。

1か月経過観察中に歯髄壊死並びに瘻孔形成が認められたため、歯髄処置並びに再度破折片の再接着を行ないました。

術前です。

歯肉の腫れと発赤を認めます。

麻酔後、破折した歯冠を除去します。

歯冠の破折片を確認します。

歯肉を開いて歯根の破折状態を確認します。

歯冠が元の位置に戻るか試適します。

接着材にて接着固定を行ないました。

その際にファイバーポストを使用し補強しています。

歯肉を戻して縫合します。

術後3ヶ月の状態です。

歯肉の腫れと発赤は消失しています。

形態も元通りに復元されました。

違和感も感じていませんが、歯冠色の変色が生じています。

将来、変色の進行程度により、ラミネートベニアによる審美歯科処置を検討します。



口腔外接着再植法20

院長の大倉です。

今回は、感染根管治療を行っても歯肉の腫脹を繰り返すケースです。

左下の歯肉に腫脹を自覚し時々破れて膿が出ることを繰り返すしています。

レントゲン写真です。

奥から二番目の歯の歯根周囲に影が認められます。

CT画像からも歯根の先から上方に骨吸収像を認めます。


臨床像とレントゲン写真から、慢性根尖性歯周炎と診断されましたが、今までの経験から歯根破折(亀裂)が生じている可能性があります。

治療法は、意図的再植による歯根亀裂の修復を考えました。

抜歯しました。

抜歯された歯です。

歯根周囲に炎症性肉芽組織が認められます。

炎症性肉芽組織を除去すると歯根に亀裂が認められました。

亀裂の拡大写真です。

茶色の細い線が亀裂です。

歯根の先に向って見られます。

亀裂部分には細菌による汚染物が進入しているため、超音波チップにて除去します。

亀裂部分に接着剤を流し込みます。

内側の亀裂部分も同じように処置します。

亀裂は歯根の先で連続しています。

準備ができたので、歯を元に戻します。

戻した歯を元に固定します。

術後のレントゲン写真です。


骨再生を経時的に観察して行きます。

今回のように、完全に破折状態でなくても、臨床症状が繰り返す場合、慢性根尖生歯周炎の治療目的に意図的再植法により、口腔外接着再植法を併用することで、慢性炎症を取り除き、症状のない嚙める歯を取り戻すことが出来ます。



小臼歯 垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法19

院長の大倉です。

今回は、下顎の小臼歯の垂直歯根破折に対して、口腔外接着再植法を行い術後約8ヶ月経過観察しているケースです。

術前の状態です。

頬側歯肉に軽度の腫脹と咬合痛があります。

レントゲン写真です。

歯根周囲に骨吸収像を認めます。

深い歯周ポケットの形成もあり、垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)と診断されました。

垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)と診断された歯に対する治療法として、当院では「口腔外接着再植法」を適応することで、多くの歯根破折を保存することが出来ております。

今回も「口腔外接着再植法」を適応し行いました。

まず、抜歯を行います。

抜歯窩の炎症性肉芽組織を掻爬します。

抜歯された歯です。根の先から中央にかけて破折線が認められます。

破折線に沿って開きます。

内部はかなり汚染されています。

汚染物質を除去しました。

接着剤にて歯をもとの形に接着修復しました。


そして、元の場所に再植しました。

  
さらに、前後の歯と固定しました。。

術直後のレントゲン写真です。

術後約4ヶ月のレントゲン写真です。

まだ、少し歯根周囲に黒い像が認められます。

術後、4ヶ月を過ぎると違和感なく自然に噛むことが出来ます。

術後約8ヶ月のレントゲン写真です。

ほぼ、歯根周囲の黒い像は消失し骨の再生が認められます。

この様に、抜歯と判断されることの多い垂直歯根の歯を「口腔外接着再植法」を適応すことで抜歯を回避し保存することができます。

さらに、長期に渡り経過観察を行います。



歯根破折・3Dシミュレーションによるインプラント治療

院長の大倉です。

今回は、歯根破折している奥歯の治療です。

歯根破折の状態によっては、歯を保存できない場合があります。

垂直歯根破折では、口腔外接着再植法が有効ですが、今回のように複数の穿孔がある場合ではこの方法が行えないことが あります。

レントゲン写真です。

右下第一大臼歯に金属コアと被せ物が入っています。

歯根の分岐部に骨の吸収像が見られます。

実際に外してみると、歯質は変色し数カ所に穿孔が見られました。


今回は残念ながら歯を保存することは出来ず抜歯することになりました。

抜歯後に右下の奥歯が二本失ったことになるので、義歯またはインプラント治療のどちらかの選択になりました。
今回は、年齢、食習慣、元の歯と同じように何でも自然に嚙めることを希望されたため、インプラント治療になりました。

インプラント治療の際に歯科用CTを撮影します。

そのCT画像データを基に3Dシミュレーションを行います。

この目的は、術前に顎の形、内部の状態を把握して実際に使用できるインプラントの長さと太さを決めることにあります。

特に下顎骨の内部には太い神経(ピンク色の部分)が走行しており、神経を傷つけないように治療計画を立てる必要があります。


実際に行われたインプラント治療です。

術前の状態です。

下の奥歯が欠損しています。


インプラントが二本埋入された状態です。

術後、レントゲン写真です。

術後のCT画像です。

術前のシミュレーション通りの位置にインプラントが埋入されています。

この様に、術前に十分な診査、診断を行うことでシミュレーション通りのインプラント治療が可能となります。



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