歯根破折 ・インプラント治療
2018.02.18
院長の大倉です。
今回は、前歯の差し歯が歯根破折したケースです。
前歯の差し歯は、一旦強い力がかかると歯根破折が起きることがあります。
金属のコアと呼ばれる心棒が差し歯を支えていますが、強い力がかかるとコアによるクサビ効果で、歯根破折します。
今回のケースです。
左上の前歯が歯根破折しています。
歯肉に発赤と腫脹を認めます。
噛み合わせも下の歯で突き上げを認めます。
レントゲン写真です。金属の心棒が確認さてます。
抜歯を行いました。
歯根破折を認めます。
抜歯即時インプラント埋入術を行いました。
埋入後のレントゲン写真です。
口腔内の状況です。
隣の差し歯と同じ状態を作ることが出来ました。
このように、歯根破折の治療では、破折歯を保存することをせず、インプラント治療によって天然歯と同じように機能させることが可能です。
歯根破折の状況から「口腔外接着再植法」を選択せず、インプラント治療によってより良い結果が得られることもあります。
歯根破折・3Dシミュレーションによるインプラント治療
2016.07.15
院長の大倉です。
今回は、歯根破折している奥歯の治療です。
歯根破折の状態によっては、歯を保存できない場合があります。
垂直歯根破折では、口腔外接着再植法が有効ですが、今回のように複数の穿孔がある場合ではこの方法が行えないことが あります。
レントゲン写真です。
右下第一大臼歯に金属コアと被せ物が入っています。
歯根の分岐部に骨の吸収像が見られます。
実際に外してみると、歯質は変色し数カ所に穿孔が見られました。
今回は残念ながら歯を保存することは出来ず抜歯することになりました。
抜歯後に右下の奥歯が二本失ったことになるので、義歯またはインプラント治療のどちらかの選択になりました。
今回は、年齢、食習慣、元の歯と同じように何でも自然に嚙めることを希望されたため、インプラント治療になりました。
インプラント治療の際に歯科用CTを撮影します。
そのCT画像データを基に3Dシミュレーションを行います。
この目的は、術前に顎の形、内部の状態を把握して実際に使用できるインプラントの長さと太さを決めることにあります。
特に下顎骨の内部には太い神経(ピンク色の部分)が走行しており、神経を傷つけないように治療計画を立てる必要があります。
術前の状態です。
下の奥歯が欠損しています。
術後のCT画像です。
術前のシミュレーション通りの位置にインプラントが埋入されています。
この様に、術前に十分な診査、診断を行うことでシミュレーション通りのインプラント治療が可能となります。
差し歯の歯根破折・抜歯即時埋入インプラント治療法
2015.09.13
院長の大倉です。
今回は、差し歯が歯根破折を起こして、口腔外接着再植法を行うことが出来ないケースです。
左上前歯の差し歯に歯根破折が生じて歯肉が腫れています。
出来れば口腔外接着再植法で歯を残せると良いのですが。
抜歯鉗子にて抜歯しました。
抜歯した差し歯の状態です。
差し歯の根元から歯根の上部にかけて斜めに破折していました。
今回の歯根破折では、口腔外接着を行っても再破折のリスクが非常に高いので、インプラントの即時埋入術となりました。
インプラントを埋入するために、抜歯したところの骨をドリルで削ります。
アパタイトコーティングされたインプラントを入れます。
インプラントを埋入後、歯肉を丁寧に縫合処置を行いました。
仮の歯を隣の歯に接着します。
埋入したインプラントが骨と接合するために約3ヶ月待ちます。