小臼歯 垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法19
院長の大倉です。
今回は、下顎の小臼歯の垂直歯根破折に対して、口腔外接着再植法を行い術後約8ヶ月経過観察しているケースです。
術前の状態です。
頬側歯肉に軽度の腫脹と咬合痛があります。
レントゲン写真です。
歯根周囲に骨吸収像を認めます。
深い歯周ポケットの形成もあり、垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)と診断されました。
垂直歯根破折(VRF:Vertical Root Fracture)と診断された歯に対する治療法として、当院では「口腔外接着再植法」を適応することで、多くの歯根破折を保存することが出来ております。
今回も「口腔外接着再植法」を適応し行いました。
まず、抜歯を行います。
抜歯窩の炎症性肉芽組織を掻爬します。
抜歯された歯です。根の先から中央にかけて破折線が認められます。
破折線に沿って開きます。
汚染物質を除去しました。
接着剤にて歯をもとの形に接着修復しました。
そして、元の場所に再植しました。
術直後のレントゲン写真です。
術後約4ヶ月のレントゲン写真です。
まだ、少し歯根周囲に黒い像が認められます。
術後、4ヶ月を過ぎると違和感なく自然に噛むことが出来ます。
術後約8ヶ月のレントゲン写真です。
この様に、抜歯と判断されることの多い垂直歯根の歯を「口腔外接着再植法」を適応すことで抜歯を回避し保存することができます。
さらに、長期に渡り経過観察を行います。