口腔外歯根端切除逆根充法(意図的再植法)4
院長の大倉です。
今回は、「意図的再植法」により通常では抜歯されてしまう歯を保存出来たケースです。
上顎の奥歯が疲れると鈍痛があり、奥歯の上の方に違和感をいつも感じていました。
CT画像から歯根の上方に膿が溜まる「嚢胞(のうほう)」という病気があることが分かりました。
CT画像です。
上顎洞粘膜が肥厚し、原因歯の根の骨がドーム状に膨れ上がっているのが観察されます。さらに、上顎洞炎も併発しています。
原因歯を抜歯します。
抜歯された歯は、根尖部の色が変化しています。
抜歯窩から摘出された歯根嚢胞です。
原因歯の根尖部の状態です。
その根尖部の根管口をMTAセメントにて封鎖します。
再植して固定します。
術後3ヶ月経過したCT画像です。
術前のCT画像に見られたドーム状の骨透過像は縮小しました。
このように歯内療法で改善しない上顎歯根嚢胞に対しては、「意図的再植法」を行うことで、病気を取り除き、歯を保存出来ることが出来る唯一の方法です。