歯冠・歯根破折(前歯複雑破折)
院長の大倉です。
転倒して上顎前歯を強打。
歯冠が複雑に一部粉砕破折してしまったケースです。
レントゲン写真です。
亀裂が複数見られ歯根まで進んでいました。
本来ですと抜歯になってしまうケースですが、若年者ため歯を残す治療をしました。
1か月経過観察中に歯髄壊死並びに瘻孔形成が認められたため、歯髄処置並びに再度破折片の再接着を行ないました。
術前です。
歯肉の腫れと発赤を認めます。
麻酔後、破折した歯冠を除去します。
歯冠の破折片を確認します。
歯肉を開いて歯根の破折状態を確認します。
歯冠が元の位置に戻るか試適します。
接着材にて接着固定を行ないました。
その際にファイバーポストを使用し補強しています。
歯肉を戻して縫合します。
術後3ヶ月の状態です。
歯肉の腫れと発赤は消失しています。
形態も元通りに復元されました。
違和感も感じていませんが、歯冠色の変色が生じています。
将来、変色の進行程度により、ラミネートベニアによる審美歯科処置を検討します。