歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法23
院長の大倉です。
今回は、下顎小臼歯の垂直性歯根破折のケースです。
術前・術後をCTにて観察しました。
口腔内の状態です。
ほぼ、残根状態です。
一般的には、抜歯し他の方法で歯を作りますが、今回も口腔外接着再植法にて歯を再建し保存して機能させる事にします。
抜歯された歯根です。
二つに破折しており内部は細菌感染し、汚染され周囲には炎症性肉芽組織が付着しております。
歯根を接着できる様に洗浄し清掃します。
スーパーボンドにて歯を接着し元の歯根の状態に戻します。
口腔内に戻し再植し固定します。
1か月経過しました。
歯肉の状態も良好です。
支台の形にし、歯を被せる準備をします。
炎症もなく、歯のぐらつきも改善しています。
術前のCT画像です。
歯根の右側に骨吸収像を認めます。
術後のCT画像です。
骨の再生が確認出来ます。
このように本来抜歯になる歯を保存することが出来るこの治療法は、短期的な予後は良好です。ですが、長期的予後は明らかではありません。症例を重ね検討して行きます。