口腔外接着再植法7
院長の大倉です。
今回は、歯根が3分割された「歯根破折」のケースです。
術前は、やはり噛むと違和感や鈍痛があり、疲れると歯茎が腫れてくる症状がありました。
症状が出てから1年以上経過していましたが、このままではいずれ抜歯になってしまうため、「口腔外接着再植法」を行うことになりました。
術前の写真です。
右下5番目の被せ物が入っている歯です。
根の先の歯肉がやや腫れており、圧痛があります。
術前のレントゲン写真です。
歯根の一部が割れて、骨に透過像が現れています。
破折部から口腔内細菌が侵入し、炎症が起きている所見です。
実際に抜歯した歯根の状態です。
歯根が3分割されていました。
まず、保存液に浸した後、超音波にて汚染物質を除去します。
その後、一度組み立てて、歯がもとの状態になることを確認後、接着剤にて接着し復元します。
これが、3分割された歯根を復元した状態です。
歯根面を乾燥させない様に手早く接着してから口の中のもとの位置に戻します。
再植された歯を1ヶ月半ほど、固定します。
金属メッシュを補強材にして固定している状態ですです。
術後、1週間ほど硬いものは噛まないようにして頂きながら、その後は普通の食生活に戻れます。
術後後3ヶ月経過した状態です。
歯根付近の腫れはなくなり、食事の際、何でも噛むことができて、痛みも特にない状態です。
術後3ヶ月のレントゲン写真です。
レントゲン像からまだ歯根膜腔の拡大が見られますが、臨床症状はなく、ペリオテストと呼ばれる動揺度の検査で
は、数値が21から17と減少しており、何でも噛むことができるようになったとの事でした。