口腔外歯根端切除逆根充法(意図的再植法) 3
院長の大倉です。
今回は、歯根の根管治療を長期に続けても症状が取れない方の治療です。
上顎の奥歯に打診痛や咬合時の鈍痛があり、根管治療を繰り返しても変化がなく、他院では抜歯しかないと判断されていました。
CT画像です。
矢印に炎症による骨の吸収を認めます。
さらに、上顎洞炎も併発しています。
口腔内の状態です。
白いセメント仮封されている歯です。
周囲の歯肉の状態は良好ですが、叩くと響き物を噛むと鈍痛を生じます。
今回は、口腔外歯根端切除逆根充法(意図的再植術)にて、治療することになりました。
この治療法は、一度歯を抜歯し、抜歯窩から根尖部にある炎症生肉芽組織を除去し、歯は口腔外にて歯根端を切除し根充を行って再植する方法です。
抜歯窩の状態です。
抜歯された歯の状態です。
歯根の先に肉芽組織の一部が付着しています。
抜歯された歯の肉芽組織を歯根膜を傷つけないように歯根から除去します。
歯根端を切除します。
MTAセメントにて逆根充を行いました。
口腔内に戻し再植します。
縫合糸にて固定します。
一週間後に糸抜きして、経過観察します。
現在、術前にあった打診痛や咬合時の鈍痛は消失したため、噛めるように被せ物を作ります。
このように、意図的再植法により問題点を一気に解決することで治癒を早めることが可能です。