スタッフブログ

歯根破折 ・インプラント治療

院長の大倉です。

今回は、前歯の差し歯が歯根破折したケースです。

前歯の差し歯は、一旦強い力がかかると歯根破折が起きることがあります。

金属のコアと呼ばれる心棒が差し歯を支えていますが、強い力がかかるとコアによるクサビ効果で、歯根破折します。

今回のケースです。

左上の前歯が歯根破折しています。

歯肉に発赤と腫脹を認めます。

噛み合わせも下の歯で突き上げを認めます。

レントゲン写真です。金属の心棒が確認さてます。

抜歯を行いました。

歯根破折を認めます。

抜歯即時インプラント埋入術を行いました。

埋入後のレントゲン写真です。

口腔内の状況です。

隣の差し歯と同じ状態を作ることが出来ました。

このように、歯根破折の治療では、破折歯を保存することをせず、インプラント治療によって天然歯と同じように機能させることが可能です。

歯根破折の状況から「口腔外接着再植法」を選択せず、インプラント治療によってより良い結果が得られることもあります。



抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法36

院長の大倉です。

今回も第2小臼歯の歯根破折のケースです。

左下第2小臼歯が半年前から違和感があり、前医にて歯根破折のため抜歯が必要と言われていました。

なんとか自分の歯を残したいと希望され来院されました。

レントゲン写真です。

垂直歯根破折を認めます。さらに歯根破折に沿って骨透過像を認めます。

今回も「口腔外接着再植法」にて歯を保存することになりました。

抜歯して歯根の状態を観察します。

垂直性歯根破折を認め、破折面は細菌により汚染されていました。

超音波にて洗浄します。

補綴物は再利用せず、新製することになりました。

破折片を元に戻して、ファイバーポストを利用してスーパーボンドにて接着します。

抜歯窩の炎症性肉芽組織を除去し、接着された歯根を元の位置に戻します。(再植)

隣の歯に固定します。

術後のレントゲン写真です。

術後約2ヶ月のレントゲン写真です。

歯根周囲の骨に再生が見られます。

さらに術後4ヶ月のレントゲン写真です。

初診時に見られた骨透過像は、縮小し骨再生を認めます。

最終補綴物を装着しました。

咬合時の違和感や鈍痛は認められず、咀嚼時も自然に噛めるとのことです。

このように、破折の程度が酷くても、歯根膜の状態や汚染された組織の除去により、骨の再生が始まり、すなわち再生の条件が整えられることで再び歯を機能させることが出来ました。

今後、長期的な予後を観察して行きます。



抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法35

院長の大倉です。

今年も宜しくお願いします。

今回は、第2小臼歯の歯根破折のお話です。

第2小臼歯の歯根破折のケースは、当院の破折治療の中で一番多く行われております。

それだけ、第2小臼歯の歯根破折の頻度が高いことを意味します。

第2小臼歯は咀嚼の中心に位置する歯のため、様々な硬さの食物を粉砕する役目を果たすことで、時に歯自体が欠けたり割れたり(亀裂や破折)することがあります。

右下第2小臼歯のケースです。

根管治療を行っても症状が消えない状態が続いていました。

レントゲン写真から根尖以外に側方にも透過像を認めます。

歯根破折の可能性が高いと判断し「口腔外接着再植法」を適応しました。

抜歯して口腔外にて歯根を観察しました。

歯根中央部に破折線を認めます。

炎症性肉芽組織の付着があり慢性炎症が続いていたことが分かります。

肉芽組織を除去し破折線を削り汚染されていた歯質も除去します。

破折線にスーパーボンドを流し込みます。

反対側の歯根面にも顕微鏡にて亀裂を認め同様に接着します。

根尖も閉鎖し、再植します。

術前術後のレントゲン写真を連続します。

6ヶ月経過したレントゲン写真から術前に見られた骨透過像も消失し症状も消えました。

治療前は、ロングブリッジが入っていたため歯根に無理な力がかかり歯根破折・亀裂が生じたと考えます。

根管治療だけでは解決出来ない問題を「口腔外接着再植法」にて解決し歯を保存することが可能となりました。



抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法34

院長の大倉です。

今回は、根管治療を継続しても歯肉の 炎症が繰り返されるため、原因の精査ならびに治療を目的に来院されました。

口腔内の状態です。

左上小臼歯の根尖付近の歯肉の腫れと発赤を認めます。

根管治療を行っても炎症が消退しませんでした。

レントゲン写真から歯根周囲に透過像を認めます。また、CT検査から歯根の側壁に炎症所見が見られ、意図的に抜歯を行い原因の除去と再植を行うことになりました。(意図的再植法)

抜歯を行います。

正面像です。

側面像です。

側面に黒色に変色した部分が見られます。恐らくこの部分が根管内治療では治しきれなかったところと思われます。

病変部分を除去し洗浄します。

接着剤にて封鎖します。

再植します。

根管内も接着剤で封鎖しファイバーポストを植立します。

根尖も封鎖します。

再植します。

固定します。

術後のレントゲン写真です。

固定後、1か月、根尖部に違和感と腫脹を自覚しました。

レントゲン写真から根尖部に透過像を認め、臨床所見から根尖部に炎症の残存を確認し、完治目的に歯根端切除を含めた外科処置を行うこととしました。

歯肉を剥離します。

頬側面の骨欠損を認め、さらに歯根は垂直的に歯根破折を認めました。

根尖を含め根表面を一層削除します。

破折部に接着剤を流し込み固定します。

再度、歯肉弁を戻し縫合します。

術後、約3ヵ月経過し歯肉の状態は炎症所見がなく経過良好でした。

術直後のレントゲン写真です。

術後6ヵ月のレントゲン写真です。根尖部に認められた透過像は消失し骨の再生を認めました。

意図的再植時には歯根破折を確認することはできませんでした。

しかし、今回のケースの様に1回目の治療で症状が軽快しない場合、何らかの炎症の原因が残存していることがあり、再度原因精査と加療が必要となることがあります。



抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法33

院長の大倉です。

今回は、開院当初から定期的に通院中の方です。

75歳から来院され現在92歳になられます。

定期検診・口腔ケアに通院さて、現在22本の歯が残り8020を達成されております。

一昨年から左下6の歯肉の腫脹を繰り返し潰れて膿が出る状態が続いていました。


初診のレントゲン写真では、異常はありませんでしたが、一昨年のレントゲン写真では、左下6の近心根に骨透過像を認めます。
初診時のレントゲン写真です。

一昨年、症状が出た時のレントゲン写真です。

根尖性歯周炎が考えられ、被せ物を除去して根管治療を行いました。

しかし、炎症は軽快せず、レントゲン写真の透過像も広がりました。

症状と経過から、近心根の歯根破折が疑われ、一般的には抜歯の適応と判断されますが、歯根破折を治療することが出来る可能性があれば、「口腔外接着再植法」行うこととなりました。

抜歯します。

近心根側面に歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)を認めます。

破折分離は認めず、亀裂と判断しました。

分離し、

洗浄しました。


接着します。


破折の状況、接着の状態、歯根膜の保存状態から分岐部病変の残存が予想されますが、炎症のコントロールは可能で、再度、噛むことは出来ると判断しました。

そして、再植します。

固定しました。

約一年半後の口腔内状態です。

分岐部は交通していますが、歯根破折の炎症は消失しました。

当然、術前と同じように噛むことが出来ます。

術後のレントゲン写真です。

術直後

3ヶ月後

1年半後です。

骨の再生は不十分ですが、炎症の消失と咀嚼ができたました。

このように、92歳の高齢者でも、状況によっては「口腔外接着再植法」により咀嚼機能の維持が可能であったケースです。



抜かない治療 歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)・口腔外接着再植法32

院長の大倉です。

今回は、歯根破折 (VRF:Vertical Root Fracture)に対して外科的口腔内接着法を行うも炎症所見が継続し治癒が見込めないため、「口腔外接着再植法」を行い治癒を見込めたケースです。

左上の犬歯の初診時レントゲン写真です。

 ブリッジの支台歯である犬歯の根尖周囲に透過像を認めます。

さらに、かなり太い金属ポストを認め、歯根破折の原因と考えます。

口腔内所見は、左上犬歯の歯槽部に発赤と腫脹を認めます。

ブリッジは反対側まで連結されていた為、初診時では保存的に外科的口腔内接着法を行いました。

歯肉剥離を行いました。

炎症性肉芽組織を掻爬します。

歯根破折を認めます。

破折片を戻し、接着します。

傷を縫合します。

術後のレントゲン写真です。

術後4ヶ月のレントゲン写真です。

歯根周囲のレントゲン透過像の拡大を認めます。

口腔内所見は、付着歯肉の発赤と深い歯周ポケットが残存し、炎症の残存を認めます。

今回、このことを説明の上、炎症の改善を目的に、ブリッジを切断し口腔外接着再植法」を行いました。

ブリッジを除去します。

犬歯を一度抜歯します。

歯根周囲への炎症性肉芽組織の付着と破折部内部の汚染を認めます。

汚染物の除去と肉芽組織の掻爬を行いました。

スーパーボンドとファイバーポストを使用して、破折片を接着します。

同時に根尖部も根切を行います。

口腔内に戻し、再植します。

再植歯の固定のために、仮ブリッジを入れて待ちます。

術後のレントゲン写真です。

3ヶ月後のレントゲン写真です。

歯根周囲の透過像の縮小が見られます。

口腔内所見は、付着歯肉の発赤はやや残存していますが、歯の植立は安定し、歯周ポケットも改善を認めます。

最終補綴ブリッジを装着し経過観察を行ないます。

今回のケースでは、歯根破折にて犬歯が抜歯されてしまうと、犬歯と小臼歯の2本分の欠損が生じて来ます。

この欠損を補綴するには、ブリッジでは欠損部が広すぎて出来ません。

インプラント治療または取り外しの義歯のどちらかになります。

今回は患者さんとご相談の上、意図的に一度抜歯を行い歯根破折を改善した上で再植を行う治療「口腔外接着再植法」を選択しました。

まだ、長期的な予後が不明なため継続的に経験観察を行ないます。



抜かない治療・意図的再植6

院長の大倉です。

今回は、84歳の方です。

ブリッジの支台歯がトラブルとなり、このままでは抜歯して取り外しの義歯となるケースですが、患者さんのご希望があり、歯を抜かないで残して問題を解決する方法を検討しました。

右上の5番目の歯の歯肉が腫れています。


術前のレントゲン検査から歯根の側面に穴が開いていてそこが感染源となって炎症を生じていました。

レントゲン写真から5番の歯の後の骨が吸収しているのが分かります。

今回は原因の精査と歯を極力残すために「意図的再植法」を選択しました。

ブリッジを外しました。

5番の歯を一度抜歯します。

歯根の側面に大きな穴が開いていて、汚れています。

超音波にて原因物の除去を行います。

洗浄後乾燥し、スーパーボンドにて穴の閉鎖を行いました。

再植して仮歯のブリッジで固定しました。

術直後のレントゲン写真です。

再植状態を確認しました。

術後4ヶ月目のレントゲン写真です。

骨の再生が一部に見られ、歯の動揺もな句なり、再度ブリッジを入れました。
このように80歳を過ぎても、骨の再生が見られ、再度ブリッジを入れて食事が出来る様になり、QOLを維持する結果となりました。

さらに今後は、口腔ケアを通じて炎症の再発を防いで行くことが大切です。



歯根破折 抜かない治療・口腔外接着再植法31

院長の大倉です。

今日は、15周年フェスタが行われました。ご参加頂いた皆様ありがとうございます。それぞれ思い出に残る記念になったと思います。

今回は、右上歯根破折の「抜かない」治療法です。

差し歯が抜けて、残根状態です。

レントゲン写真から恐らく部分的にVRF(垂直性歯根破折)を生じている所見です。


歯根の大きさや歯質の状態から抜歯即時インプラントも考えられましたが、自分の歯を少しでも残していきたいと言う希望があり、「抜かない治療法」=「口腔外接着再植法」を選択しました。

抜歯を行います。

根の半分まで破折がありました。

根管内は、口腔内細菌で汚染されています。

超音波にて除染しました。

今回は、抜けた差し歯を利用して接着しました。

抜歯窩を十分に掻爬後、再植します。


歯を固定します。

1カ月後、固定を除去します。

術直後のレントゲン写真です。

術後6カ月のレントゲン写真です。

術直後のレントゲン写真と比較して骨の再生を認めます。


歯のぐらつきもなく、咀嚼は問題ありませんでした。

ただし、近心の骨が完全に再生していない為、今後も十分な経過観察を続けます。



歯根破折・口腔外接着再植法30

院長の大倉です。

今回は、歯根破折・口腔外接着再植法23の治癒経過その後です。

術前の状態から一連の処置の流れとファイナルです。

オールセラミッククラウンを被せました。

術直後のレントゲン写真です。

歯根周囲に骨透過像を認めます。

術後4カ月でクラウンを被せています。

骨透過像も縮小しています。

術後6カ月が経過しました。

骨透過像がさらに縮小しています。

咀嚼には問題ないとのこと、何でも美味しく食べることが出来るそうです。

再植された歯の殆どが、6カ月を過ぎたところでほぼ健全歯と同じレベルで噛むことが出来ています。

このケースも長期に経過観察を行い、この治療法の有用性を判断したいと思います。



歯根破折・口腔外接着再植法29

院長の大倉です。

今回も不完全な歯根破折のケースです。

一度、根管治療を行い症状はなくなりましたが、舌側歯肉にフィステルが出来ました。

口腔内の状態です。

今回もCT画像から不完全な歯根破折を疑い口腔外接着再植法にて治療することになりました。

抜歯します。

抜歯した歯を顕微鏡で観察します。


近心根に不完全な破折を認めました。

炎症性肉芽組織を取り除き、破折線を形成しました。

接着剤で破折線を接着しました。

頬側面の近心根にも不完全な破折を認めました。

炎症性肉芽組織を取り除き、破折線を形成しました。

接着剤で破折線を接着しました。

再植します。


再植後、舌側のフィステルは消失し炎症はなくなりました。

その後、クラウンを被せ治癒しました。

前回と同じように、フィステルが歯肉に生じている場合、原因が根尖性歯周炎によるものか歯根破折によるものか、臨床的判断が難しい場合があります。

根尖性歯周炎と診断し根管治療を行って一時的に症状が消失しても、歯根破折がある場合、症状が再燃してしまうことがあります。

十分な経過観察と的確な診査診断により、歯根破折の有無を判断し治療法を選択する必要があります。



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