歯根端切除術1(歯根のう胞)
2015.06.10
院長の大倉です。
今回は、上の前歯の根の先に膿がたまる病気=歯根のう胞についてです。
神経を抜いた前歯の根の先が、疲れたり寝不足だったり、風邪を引いて体の抵抗力が弱っている時に、うずく・腫れる・ニキビの様なできものができる・膿が出るなどの自覚症状がある方は、この「歯根のう胞」が疑われます。
この方は、左上の前歯の根の先に膿がたまり徐々に歯槽部が腫れてきました。
手術は、歯根のう胞摘出術です。
局所麻酔後、歯肉を切開し剥がします。
剥がすと歯肉が腫れていた所の骨面から歯根のう胞の一部が露出していました。
歯根のう胞を注意深く骨面から剥がして、摘出しました。
骨の空洞が出来ていることが分かります。
また、歯根の一部が見えています。
摘出された「歯根のう胞」です。
ご覧の通り、丸く赤い色を呈しており、触るとブヨブヨとしています。
中から膿のような内容物が出てきました。
のう胞に接していた歯根の根管を超音波にて汚染物質を除去し清潔になった所に、プロルートMTAセメントにて歯根の根の中の管を封鎖しました。
白く見えるのがそのセメントです。
創部を清拭後、コンマ数ミリの太さのナイロン糸で縫合です。
1週間後にばつ糸を行って経過観察します。
術直後から、小鼻がもちあがる程度の腫れが生じますが痛みはそれほどありませんでした。